匠の知恵をプロセス・マッピングでデジタル化する:Pin Powerが描くサステナブルな製造業の未来(名古屋ものづくりワールド講演録)

2026.04.15

2026年4月9日 | 日本、名古屋

世界最大級の製造業展示会「名古屋 ものづくり ワールド 2026」において、Pin Power(ピンパワー)は公式テクニカルフォーラムの招待講演者として登壇し、ダイヤモンド工具業界におけるリーダーシップを披露いたしました。弊社代表取締役の蕭(ホレス・シャオ)は、**「持続可能な製造業の未来に向けた『熟練の技』のプロセス・マッピング」**と題した基調講演を行いました。

本講演では、デジタルトランスフォーメーション(DX)がいかにして、ダイヤモンド工具製造における長年の技術的ギャップや労働力不足の課題を克服する鍵となるかについて、深い洞察を交えて解説いたしました。
Pic07.png
「職人の手」をデジタル化する:直感から精密な制御へ
講演の中で蕭(シャオ)は、伝統的な製造業が直面している深刻な課題について言及しました。それは、日本で「3K(きつい、汚い、危険)」と呼ばれる労働環境であり、これが若手人材の確保をますます困難にしています。製造業界では何十年もの間、高齢化が進む熟練工の「直感」や感覚的な経験に頼ってきました。こうした「匠の知恵」は特定の個人に蓄積されており、技術継承が途絶えてしまうリスクにさらされています。

Pin Powerの技術の中核は、こうした熟練者の知恵を抽出し、標準化された再現性の高いデジタル「レシピ」へと昇華させることにあります。このプロセス・マッピングは、単なる自動化ではありません。企業の最も価値ある知的財産を保護する、ソフトウェア主導の「技術遺産」の構築なのです。作業工程をシンプルにすることで、従来の徒弟制度では習得に数年を要した技術を、新人従業員でもわずか3日間で生産レベルまで習得することが可能になります。
Pic02.png
PP-S PLUS:製造現場に新たなスタンダードを
今回発表した高速真空ろう付け装置「PP-S PLUS」は、製造の卓越性に対する弊社のコミットメントを具現化した製品です。
• 無酸素・フラックスフリー工程: チャンバー内の酸素を完全に排除することで、酸化を徹底的に防止します。フラックスを使用しない工程により、酸洗浄や手作業による研磨が不要なクリーンな表面を実現し、生産ライン全体の合理化を可能にします。
• ラマン分光法による品質実証: ラマン分光分析の結果、Pin Powerの技術はグラファイト化(黒鉛化)を大幅に抑制することが証明されています。これによりダイヤモンドの損傷を最小限に抑え、工具の寿命と性能を最大限に引き出します。
• 優れた環境効率とGX基準: 弊社のソリューションは持続可能性を重視しており、1サイクルあたりの消費電力はわずか 8.3 kWh です。PP-S PLUSは最大 195個 の同時処理が可能であり、製品1点あたりのカーボンフットプリントを劇的に削減することで、現代のGX(グリーントランスフォーメーション)基準に適合します。
Pic03.png
持続可能な未来:総加工時間を 77 % 削減
Pin Powerは、加熱、接合、冷却を一つの自動化プロセスに統合することで、製造工程のタイムラインに革命をもたらします。このワークフローにより、余分な洗浄工程が排除され、従来の工法と比較して総ろう付け時間を 77 % 短縮することに成功しました。

この技術は、グリーン・マニュファクチャリングを推進するだけでなく、業界の深刻な人材不足の解消にも貢献します。弊社のデジタル・プロセス・マッピングは学習曲線を大幅に短縮し、新人従業員でもわずか 3日間 で生産レベルの習熟度に到達可能です。Pin Powerは単に装置を販売するだけでなく、ダイヤモンド工具製造における持続可能で効率的な未来を築いています。

また、QUOD6 との戦略的パートナーシップを通じて、神奈川県横浜市の専用デモセンターにて、現地のトレーニングや深い材料知見に基づいた技術サポートを提供しております。
MW 2026 Nagoya_06.jpg